40代からの読書

【書評】犬飼ターボ『CHANCE』――40歳、理学療法士が「自力で稼ぐ」ために必要なこと

最近、数年ぶりに犬飼ターボさんの名著『CHANCE(チャンス)』を再読した。

以前読んだときも感銘を受けたが、40歳という人生の大きな節目を迎え、本気で「自分の足で立つ(独立・起業)」ことを考え始めた今、この本は当時とは比べものにならないほどの重みを持ってるな~と感じた。

物語は、独立したものの思うようにいかず、モヤモヤとした日々を送る青年・卓也が、成功者のメンター・弓池さんと出会うところから始まる。

卓也が弓池さんの指導を受けながら、一人の起業家として成長していく姿を描いた「成功の物語」なのだが、驚くべきことに、作中で主人公が提案される職業が「整体師」。

現在、理学療法士として病院で働く私にとって、これはあまりにもシンクロしすぎている設定なんですよね。

理学療法士には開業権がないが、もし独立するなら、培ったスキルを活かせる「整体」は最も現実的な選択肢の一つだと思う。

「このまま病院に雇われ続け、惰性で時間を過ごしていいのか?」 そんな問いを抱える私が、本書から学んだ「成功の本質」と、そこから見えてきた自分自身の課題について整理してみたいと思います。


「人に会う」という最強の学び――私の成功と、今も残る「あの日の後悔」

本書で最も強調されているのは、知識以前に「人に会いに行くこと」の重要性です。 卓也が成功者である弓池さんに会うために、初めて会ったホテルに張り込み待ち伏せをしたあの泥臭い行動力。

読みながら、私は行動力やべーと思いつつ、自分の過去の経験を思い出しました。

実は、私にも「勇気を出して良かった」と思える成功体験があります。

数年前、学会に参加した際、雲の上の存在だと思っていた理事の先生に、思い切って話しかけたことがあった。

その先生は驚くほど優しく、私の拙い質問にも丁寧に答えてくださった。

さらに情報交換会では、私が発表した症例に対して、深く鋭い、それでいて温かいアドバイスをいただいたのだ。

青葉
青葉

あの時の、心が震えるような高揚感と学びの深さは、今でも鮮明に覚えています。


本を読むだけでは決して得られない、生きた智慧に触れた瞬間でしたね。

しかし、同時に苦い失敗……いや、一生消えない「後悔」もあります。

あるブロック学会でのこと。講師として登壇されていたのは、以前からSNSで少しやり取りをさせていただいていた先生でした。

講演を聴き、休憩時間に挨拶に行くチャンスはいくらでもありました。しかし、私は足が動かなかった。

「お忙しいだろうな」「SNSの端くれの私なんて、きっと覚えていないだろう」 そんな言い訳を頭の中で並べ、結局、挨拶もできずに会場を後にしたのだ。

後日、SNS上でその先生の講義の感想を述べたところ、先生から「あの日、会場にいたんですね!お会いしたかったですよ」という返信をいただいた。

青葉
青葉

あの時の衝撃と情熱的な後悔といったらなかったですね。


自分が勝手に作った「心の壁」のせいで、一生ものの繋がりになるかもしれなかったチャンスをドブに捨ててしまったんですから。

『CHANCE』が教えてくれるのは、この「一歩の勇気」です。

「失礼かもしれない」「覚えていないかもしれない」という、自分を守るためのブレーキを外し、少しの「バカさ」を持って飛び込む

その勇気こそが、成功への唯一の切符なのだと、私は自らの後悔とともに学びました。


憧れの経営者は身近にいる――「自分をコントロールする」働き方

「成功者」や「経営者」と聞くと、どこか遠い世界の存在に思えるかもしれないです。

しかし、本書を読み進めるうちに、私の身近にも尊敬すべき「師(メンター)」がいることに気づかされた。

例えば、私が通っている美容師さん。

彼は独立し、自らの腕一本で店を切り盛りしています。

何より素晴らしいのは、彼が「自分の仕事時間を自分で選び、顧客を主体的にコントロールしている」という点です。

客に振り回されるのではなく、プロとして対等に向き合い、最高の価値を提供することで、自分の人生の主導権を握っている。

青葉
青葉

これは、私が目指す「自立した整体師」の姿そのものだし、組織の中ではできない働き方だよね。


また、かつての上司の存在も大きい。

その方は今、理学療法士という枠を超え、自費の整体院を営んでいる。

私の地域では、PTとして独立したのはその方が初めてで、まさに開拓者(パイオニア)です。

実は、その方はかつて組織の中でメンタルを病んでしまった経験があります。集団や組織という枠組みが、どうしてもその方の繊細で誠実な資質に合わなかったのでしょう。

しかし、だからこそ「自分らしく生きるために独立する」という厳しい道を選び、一歩踏み出した。その姿勢を、私は心から尊敬している。

組織に馴染めないことを「欠陥」と捉えるのではなく、「独りで立つための才能」に昇華させる。そんな生き方を目の当たりにしているからこそ、私も「自分には無理だ」というブレーキを外せる気がしています。


「ビジネス」の本質は「誠実さ」にある――理学療法の現場で磨くべきもの

弓池さんは卓也に対し、テクニック以前に「ビジネスの本質」を叩き込んでいく。その核心は、「相手の立場になって考え、相手を喜ばせること」にある。

これは、リハビリの現場においても全く同じです。

  • 病院経営の数字(単位)を稼ぐために作業的に介入するのか?
  • 「この人の人生を少しでも楽にしたい」と誠実に願って手を触れるのか?


その差は、患者様には驚くほど敏感に伝わってしまうと感じます。

私は、将来の独立を見据えたとき、今この瞬間の病院勤務こそが「究極の修行」だと考えています。

「今は雇われだから適当にやり、独立したら本気を出そう」などという考えでは、絶対に成功しないし、いざという時に本気なんて出せない。

今の患者様に「またあなたに担当してほしい」と言っていただけるような信頼関係を築けない人間に、自費で選ばれるセラピストになれるはずがない。

日々のルーチンにマンネリを感じることもあります。

だが、目の前の一人に対し、どこまで誠実に向き合えるか。

青葉
青葉

それはそのまま、将来の自分の看板の重みになるでしょうし、今の仕事に対する姿勢そのものが、未来の顧客へ繋がるのではと考えています。


40歳の挑戦――「失敗」を恐れる自分との決別

本書には、「失敗は、成功確率を上げるためのデータ収集に過ぎない」という冷徹なまでの事実が書かれています。

私はこれまで、5〜6年ほど欠かさず読書やトレーニングを続けてきました。継続することには自信があります。

しかし、「ビジネス」や「独立」という未知の領域に対しては、どうしても石橋を叩いて壊してしまうような慎重さがあるし一歩が踏み出せない。

私の職場は今、副業が禁止されています。

「どうせ相談しても断られるだろう」

「経営者に目を付けられたら面倒だ」

そんな「やらない理由」を何十個も並べて、私は今の安定にしがみついています。

実際に経営者と向き合い、対話し、試してみない限り、結果は誰にもわからないはずです。

試す前から「ダメな理由」を考えてしまうのは、成長を自ら止める行為。

借金を抱えたら……養っていけなくなったら……。

青葉
青葉

不安は尽きないですが、その恐怖を乗り越えるために必要なのは、緻密な計算ではなく、良い意味での「バカさ加減」と、背中を押してくれる「メンター」の存在なのだと本書を読んで感じました。


まとめ:人生という「チャンス」を掴み取るために

『CHANCE』を読み終え、私は改めて自分の人生のハンドルを握り直す決意をしました。

成功とは、特別な才能がある人だけに与えられる報酬ではありません。

「人に会いに行く勇気」を持ち、「目の前の人に誠実」であり続け、「失敗をデータと捉えて打席に立ち続ける」者だけに届くものだと感じます。

私の目標は、 理学療法士として培った専門性を武器に、自費整体という形で、病気になる前の人々の健康を守り、その人生を輝かせること。

そして、美容師さんや元上司のように、自分の時間をコントロールし、誇りを持って働くこと。

40歳。

人生は、あっという間に過ぎ去ってしまいます。

「いつか」という言葉で逃げ続けるのは、もう終わりにして、 まずは明日、職場での挨拶を一際大きな声で行い、目の前の患者様に最高の誠実さを注ぐ。

そして、ずっと先延ばしにしていた「経営者への相談」という最初の一歩を踏み出すための準備を始めたいと思います。

チャンスは、常に目の前にあります。

それを掴む準備ができているか。自分を信じる勇気を持っているか。

私は5年以上、読書や勉強、筋トレを継続して準備してきました。

私もそろそろ、自分の人生というステージで、最高の「チャンス」を掴み取る時期が来たんだと思います。

頑張るか。

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